拾い猫
小さい頃
動物が飼いたくて仕方なかった。
けれど団地だったので
生き物は
飼えなかった。
金魚やどじょうを飼って
いた覚えがある。
小学校にいくと友達がハムスターに
子供がうまれたのでくれた。
親になかなかハムスターをもらったと
言い出せず
隠していたが
とうとう親に見つかり
飼ってもらうことができた。
ハムスターは小さくて
よく家の中で放して隅っこに逃げ込ま
れてしまった。
ある時、配線を噛み切ってしまい。
お父さんに叱られた。
よく、噛まれたけど天寿をまっとうし
2年くらいで死んでしまった。
悲しかった。
中学生になったある日
子供たちにいじめられていた猫がいた。
雨で身体も濡れてブルブルしていた。
いじめられていたせいか
尻尾が折れていた。
小学生から子猫を
奪い取り、家に連れて帰った。
手のひらにのるくらいの
小さな猫だった。
可哀想でいてもたってもいられなかったのだ。
飼うとか考えずにつれてきてしまった。
母もかわいそうに思ったのだろう。
一緒に世話をしてくれて
ミルクを飲ませてくれた。
子猫はすやすやと眠った。
その可愛さに皆がノックアウトされ
我が家の家族になった。
みー君と名前をつけた。
動物嫌いの妹だけが
一歩距離を置いていたが
家族に懐き
母はみー君のために働いているかのように
猫缶をたべさせてかわいがっていた。
父の足元でしか、みー君は眠らなかった。
こっそりとかわいがっていたのだ。
私たち姉妹は共働きで母がいない
寂しさを、みー君がいることで感じなかった。
何年も一緒に過ごし
最後まで一緒と信じていたけれど
でも別れは突然やってきた。
散歩にでた、みー君は帰って
こなかった。
何日も探したけれど
あのふわふわの身体をだくことは
二度となかった。
生き物を飼うということは
いつかは別れることだと学んだ。
月日がながれ私が母になった。
息子や娘が同じように生き物を飼った。
ざりがにやくわがた
そしてハムスターやモモンガ
母いわれたことを
今度は私が言っていた。
飼うんなら自分で世話をしなさい。
最後まで面倒をみるんだよ。
不思議な気がした。
犬を迎えた日

娘が小学生になって
犬が欲しいと言い出した。
その頃、犬を飼い出したお家が多かった。
おじいちゃんが反対していたので
なかなか
飼えなかったけれど
とうとう娘に根負けして犬を買いにいった。
あんまり大きな犬だと
散歩が大変だから小さなチワワを
家に迎えた。
私が、仕事を始めても
この子がいたので娘は寂しくなかった。
子どもたちが大きくなるにつれて
あんなに飼うことを反対していた
おじいちゃんが一番可愛がり、一緒に寝たり
面倒を見ていた。
セラピー犬のように
おじいちゃんの心の癒しになっていった。
そのおじいちゃんも施設に入ってしまい。
今は、息子がとても可愛がっている。
娘も時々、かまって遊んでいる。
今年15歳になる
もう、ヨボヨボで
時々ふらつき、ほとんど寝て過ごしている。
目もあまり見えてないようだ。
なんの芸もしない
でも、いるだけでいい。
別れの時は
近づいているのかもしれない。
一緒にいられるだけでいいと
子どもたちは思っている。
生き物と暮らす日々は
優しさに満ちていて
それぞれの心を満たしてくれて
いたんだなと思う。
ありがとう。
まだまだ長生きしてね。